福井県 福井市 美山町 赤谷鉱山の鉱物
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福井県 (福井市) 足羽郡 美山町 赤谷に位置する赤谷鉱山は、金平糖状の結晶集合をなす自然砒が産出する事で古くから知られています。自然砒の自形結晶は非常に稀で、この赤谷鉱山のものは、菱面結晶が球状に集合し、金平糖のような形状になっているため『金平糖石』と呼ばれています。世界的に見てもこのような産状は珍しく、海外でも珍品として大変有名な標本となっています。変質した流紋岩中に入っており、径 数ミリ〜15ミリほどの金平糖状集合体で産出しました。採集時には金属光沢が観察できますが、数時間で黒色に変化してしまい、数日で真っ黒になってしまいます。採集後日、金平糖石の表面に白い粉もようなものが吹いている場合がありますが、これは砒華という猛毒の亜砒酸で、水溶性のため、舐めたりしないように注意が必要です。狭い産地ですが、現地にはまだ多くのズリ石が残されており、輝安鉱や黄鉄鉱などの硫化鉱物が多く見られます。特に輝安鉱は、立派な自形結晶標本の採集は難しいですが、全体が輝安鉱の塊となっているものや、母岩の小さな晶洞に見られる針状結晶のものなどは、今でも採集する事ができます。 | ||
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Arsenic : 自然砒(金平糖石)
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菱面体結晶が球状に集合し、金平糖状となっている。中には単結晶的なものも見られる。15mm以上のものは稀。
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Arsenic : 自然砒(母岩付き)
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変質した流紋岩を共なう、石英質母岩に見られる自然砒の結晶集合体。採集時には輝きのある金属光沢であったが、やはり後日に黒く変色してしまった。
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Stibnite : 輝安鉱
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ズリにはたくさんの輝安鉱が転がっていて、その多くは塊状鉱だが、稀に晶洞中に小さいながらも自形結晶が見られる。
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