秋田県 仙北郡 田沢湖町に位置する、八幡平焼山麓の玉川温泉は、地獄谷と呼ばれる世界的にも稀な大規模な源泉を有し、至る所から火山ガスが噴出し、硫黄が生成されている。またラジウムを含む源泉中では、台湾の北投(ぺいとう)温泉で発見された北投石が生成され、天然記念物に指定されている。この北投石は鉛を含んだ重晶石の変種で、放射能を持っている。放射性の理由は、「ラジウム温泉の成分が蓄積されて、結晶化したものだから」といわれているが、確かな事はまだ良くわかっていないという。
火山ガスの噴出口周辺は、硫黄の結晶が樹氷のように生成されている。
摂氏98度という高温の熱水が湧出する湯元周辺。強酸性泉。
硫化水素を含む火山ガスが噴出している噴気口の周辺には、火山ガスの昇華物として、斜方晶系の硫黄の結晶が生成しているのが見られる。

火山ガスの昇華物として、硫黄の結晶がドーム状に生成されている。

噴気口周辺から採集した硫黄の結晶集合体。

玉川温泉の北投石

鉛を含んだ重晶石の亜種で、放射能を持っている北投石。特別天然記念物のため採集する事はできない。
北投石 (含鉛重晶石)
北投石 (含鉛重晶石)
母岩の表面に生成された北投石。北投石だけのリッチなサンプルは縞状の構造が観察できる。 左の標本をズームして観察してみると、微小な結晶集合体であるのがわかる。
全体が北投石で、表面には結晶が観察できる。
北投石 (含鉛重晶石)
北投石 (含鉛重晶石)
←32mm→
←32mm→
全体が北投石のみからなる上質な標本。独特の縞状が観察できる。手に持つとズシリと重い。
北投石 (含鉛重晶石)
北投石 (含鉛重晶石)
53mm x 37mm x 27mm (90.5g) / 楠 標本
左の標本のズーム
40mm x 33mm x 30mm (81.5g) /楠 標本
左の標本のズーム